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エンターテイメントとは暇潰しである。
- 2004-12-09 (Thu)
- Category:Novel
- Tag:
文章が上手い人と、文章についてお話しすると、、本当に皆さん色々考えて書かれているらしくて……思いのまま、好き勝手書く自分のスタイルがなんか異端に思えてきたり。
身の回りに一次、二次問わず物書きを趣味とする人間なんて今までいなかったからなー。
それにしても勉強になります。
聞いたことをきっちりと盗んで身につけなきゃ意味ないのですが。
お二人とも、作品頑張ってください。
影ながら応援しております。
まあ、理想としては自分が楽しんで書いて、それで他人様の暇潰しの材料になればこれ幸いというか何というか。
【一次小説】
ちょっと一次っぽいものを書いてみたり。途中でぶつ切りになってますが。
本当に試しにぼんやり1時間程度で書いてみただけなので、誤字脱字とかもあるかも。
少なくともおかしな表現はあるはずです。
きっちり読み返して修正して、続きを書く予定は……まあ、あったりなかったり。
下のMoreをクリックすると出現します。
古臭い恋愛モノ、覚悟が完了した人からどうぞ。
† † †
友人とケンカをし、教室で一人泣いていたとき、いきなり一人の男子生徒が入ってきた。
誰……だったか。
半年間同じクラスでありながら、名字すらうろ覚えな、そんな目立たない男だった。
彼に関して記憶にあるのは、同じクラスメートであり、そして非常に無口で友達らしい友達もいないということだけ。
だから、顔を隠した。
彼のことは、はっきりいって悪い印象しかなかった。
暗く、何を考えているのか分からない変人。
そんな人間に泣き顔などは見せたくなかった。
実際、彼は気付いていたくせに僅かにも表情を変えずに、自分の机から忘れ物らしいノートを取りだし、そのまま教室を出た。
ほっとした反面、憎らしい気持ちも生まれた。
そう望んだくせに、自分勝手な思いだということは百も承知だが、本当に無視することはないだろうに。
変人のほかに、冷酷と言う印象が加わり、ますます自分の中で彼に対する嫌悪は増した。
その後も涙は止まらず、悲しみもおさまらず、一人で教室に無様な姿を晒しつづけた。
どれくらい経っただろう。
それほど長くは無いはずだが、またしても人が入ってきた。
さっきと同じ男子生徒だった。
彼は、何も言わずに机の上に紙コップを置いていった。
中身は……レモンジュースだった。
驚いて顔をあげたが、何も言う間すら与えずに教室の外に出て行った。
少し――心臓が数回鼓動するくらい迷ってから、それを口にした。
不思議と、心が落ち着き涙も止まった。
そのまま、一時間ほどかけて心を整理して、『明日謝ろう』と心に決めた。
気持ちが泣いていた時とは明らかに変わった。
家に帰って、電話しよう。子供のときから一緒のあいつなら、すぐに分かってくれる。
教室を出ると、まださっきの男子生徒がいた。まさか、あれからずっといたのだろうか。
彼は、私の目を見ながら言った。
「美味かったか」
初めてまともに聞いた彼の声は、とても低かった。
ぶしつけな質問に目を丸くしながらも、私は頷いた。
「そりゃ良かったな」
彼はそのまま、涙のことには何も触れずに教室を後にした。
てっきり問い詰められると思った私は拍子抜けした。
その後、私は友人と仲直りし、いつも通りの学校生活を送った。
あのときの男子生徒も、そのことを言いふらしはしなかった。
何も、以前と変わっていないように思えた。
強いて変わったことを挙げれば二つ。
自分の中に、彼に対する嫌悪感が無くなり、自室の机には紙コップが置かれるようになったことだった。
† † †
「はぁ……」
「何、溜め息なんてついてるのよ、鈴」
沢木鈴鹿の幼馴染み、日下部秋野は問答無用で鈴鹿の頭を叩く。痛くはないが、それでもちょっと不愉快になる。
「……何すんのよ」
「何するの、じゃないわよ。折角の休日、出かけもせずに陰気に溜め息ついちゃって。見てらんないわ」
「……休日をどう使おうと私の勝手でしょ」
「あのな、何をそんな不貞腐れてるんだ?」
「……知ってるんでしょ」
あの時の、あの人が浮かべたやさしい顔――
「ったく。まだあの女の子が海田の彼女って決まったわけじゃないんでしょ。確かめもしないでウジウジウジウジ。まったく、あんな暗いオタク野郎のどこがいいんだ……」
ドゴンッ!
後頭部に蹴りを喰らった秋野は、問答無用でベッドに沈む。
「……私の好きな人、悪く言うと殴るわよ」
「……蹴りよりは殴られるほうがいいかもね……」
そう言いながら、何事もなかったかのように秋野は起き上がる。まぁ、鈴鹿自身思いっきり蹴ったわけじゃないが……それにしても頑丈だ。
「とにかく、海田のことが好きなんだったら、とっとと確かめればいいことでしょうが。なんのために、この半年ストーカーまがいのことして自宅まで調べ上げたと思ってるのよ」
「……だって、ほとんど話したことないし」
「……あのね、どうして、あいつの前じゃああも無口になんのよ。二年になっても運良く同じクラスになれたのはホントにラッキーだったわ。結局、一年のうちは恋人どころか友達にすらなれてないんだから。つーか、私が友達になってどうすんのよ」
「……」
半年前。
沢木鈴鹿と日下部秋野はケンカをした。原因は、今では既に思い出せないほど些細なモノだったが、それでも当事者にとってはこの世の終わりのようなモノだった。二人は親友で、喧嘩はしてもここまですれ違ったと感じたことはなかったから。
その時、教室でなすすべもなく泣いていた鈴鹿を見た海田隼樹は、何も言わずにレモンジュースを差し出した。
彼が何を思ってそうしたのかなんて判らない。単なる同情か、それとも気紛れか。
でも、その程度のことで、しかし沢木鈴鹿は恋に落ちた。
幼馴染みの恋心に秋野が気付いたのは、鈴鹿が謝り、あっさりと二人が仲直りした次の日である。
鈴鹿の視線が、不自然なまでに一人の男に集中していたからだ。物心がつく前から一緒にいる秋野は、一瞬で気付いた。
そして問い詰めると、あっさりと白状した。
秋野は信じられなかった。確かに悪い人間では無さそうだが、どうにも雰囲気が駄目っぽい。髪はボサボサ、分厚いめがねに痩せぎすな体。
不細工ではないし、お洒落をすれば光りそうだが、そういう姿を人前に晒して平気というだけでも秋野には信じられないことである。少なくとも、恋人はもちろん単なる友達でもごめんこうむりたい人種だった。
まぁ、実際に話してみるとそれほどでもなかったが……
それでも、無口――というか、無気力っぽいことに変わりはなく、秋野は欠片も彼を恋愛対象として見られないのだが。
それでも、鈴鹿には秋野の印象など関係ないことのようで、半年経っても未だにこの恋は継続中である。
しかし、その半年間、鈴鹿は一言も満足に話しかけることすら出来なかった。
そんな鈴鹿を見捨てるのも忍びないので、気乗りしないながらも色々と協力しているうちに、どういうわけだか秋野の方が隼樹と友人といえるくらい親しくなった。一方鈴鹿は、相変わらず隼樹の前に出ると恥ずかしがって、いつもの、ともすれば乱暴といってもいいほどの元気の良さが影を潜めるという状態から脱していない。当然、隼樹とは顔見知り程度の関係しか築けていない。
そして昨日、鈴鹿がグズグズしているうちに隼樹は彼女を作った――のかどうかはしらないが、町で女の子を連れ歩いていたのを偶然見かけた。
ちなみに、女の子の方は外見だけ見れば明らかに鈴鹿より可愛かった。
それを見てしまった鈴鹿は、こうしてウジウジと塞ぎこんでいるわけである。
「とにかく、本当に好きなんだったら家に押しかけるくらいの根性がなくてどうする。あの海田じゃ、自分から話し掛けてくれるなんてまず無いし、チャンスは黙っても来ないわよ」
「……だってあの人の前に出たら、言葉が全然出てこなくなるんだよ。どうしろって……」
「だから、行くわよ」
「は? 行くってどこに……」
怪訝そうな鈴鹿に、秋野は言い放つ。
「海田の家よ」
「え!? ちょ、ちょっと、待て! 本気……?」
案の定、鈴鹿は慌てるが秋野は既に聞く耳を持たない。
「本気に決まってるでしょ! いつまでもウジウジウジウジ、鬱陶しい。とっとと確かめりゃいいでしょうが。違うなら違うでいいし、違わなかったら失恋決定よ」
「や……やだ、怖い」
「どうせいつかは知らなきゃならんでしょう。だったら、早い方がいい。思い立ったが吉日って言うし」
「言わない!」
「言うのよ! とにかく行くよ。そうだ、これを機会に、いい加減に会話の一つもできるようになりなさい」
「やだやだ! 恥ずかしい!」
「うっさい! もうアンタの不燃っぷりを見るのは沢山なんだ。こうなったら潔く散ってこい」
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